この記事ではシステム会社のエンジニアが実際にサーバーの性能比較から実運用を行い、本当にオススメできるVPSとは何かどれかを用途ごとに説明する内容になっています。
この記事は下記の方におすすめ
・AWS、GCP、Azuruを検討したが金額が高いため安くサーバーを利用したいシステム会社
・本番環境と別に安い開発環境や検証環境としてサーバーを直ぐに用意したい方
・一般的なレンタルサーバーでは利用できないミドルウェアや言語を使用したい方・事業者
・プログラミングの学習やインフラ技術を習得するためにサーバーを利用したいエンジニア
そもそもこの記事の読者は何を目的にサーバーを借りるのでしょうか?
多くはホームページ制作、ブログ、LP、ECサイトなどはレンタルサーバーを利用すると思います。
レンタルサーバーはWordPressやEC Cubeなどのよくメジャーなソフトウェアは利用できますがマッチングサービスや動画配信サービスなど特別な要件ではサポートされていません。
具体的にレンタルサーバーでは以下の項目は利用できません。
・root権限などを利用した特権ユーザー
・流行りの言語(Go言語・Node)やミドルウェア(GitlabやJenkins)の利用
・Laravel、Django、Ruby on Railsなどのメジャーなフレームワーク
これはレンタルサーバーは ホームページ制作、ブログ、LP、ECサイトを作成するのに特化しているため、技術力が必要で複雑な要件を提供していないため上記の項目は実施できません。
高度な技術を持っておりWebサービスと要件がある方はVPSを利用することを検討しましょう。
VPSとは何か?メリット・デメリットを紹介します。
VPSとはVirtual Private Serverの略で日本語では仮想専用サーバーと呼びます。
下の図を確認してみましょう。赤破線の部分がVPSになります。

複数台の物理サーバーを束ねて管理している仮想化ソフトウェアが、サーバーに必要なCPU・メモリ・Diskを提供することで仮想的なサーバーを提供することができるのがVPSです。
メリットデメリットは以下のようなものがあげられます。
メリット
VPSのデメリット
VPSとは何か?メリット・デメリットについては以下の記事で詳細に解説しております。
”VPS vs レンタルサーバー vs クラウド”何を基準に選ぶべきか?
何を基準にVPS と レンタルサーバー とクラウドを選択すればよいのでしょうか?
ずばり用途で使用するサービスを選択してください。以下のステップで使用するサービスを選びましょう。
レンタルサーバーを使用しましょう。レンタルサーバーならば契約して即日にホームページやブログを作成し、数時間後には記事コンテンツをいれることも可能です。
また運用するための設定も少なく初心者でもパソコンを触ったことがある人ならば手順を見ながら対応することができます。
新規の事業で成功するかわからないWebサービスやアプリには安価で自由度の高いVPSがオススメです。
また実際の仕事で開発・検証環境で必要になったり、学習用のサーバーが欲しい時にもVPSが一役買うことになります。
クラウドの利用する選択肢もあります。しかしクラウドは高額です。
まだ成功するかわからないサービスや学習用の環境に高額サーバー利用料は無駄になると考えています。
すでに利益が出ているWebサービスや会社の基幹システムにはクラウドは選択することをオススメします。
クラウドサービス最大の利点は機能拡張時のスピードです。新規に追加したい機能があった場合にクラウドだと提供されているケースもあり、即座に使用することができます。
クラウドの利用料は高額になりますが、それを支払うだけの対価を十分に得られるため、利益が出ているシステムにはクラウドサービスが合っているということです。
VPSオススメランキング
全てを実際に契約して開発・運用した結果は以下のランキングになります。
Conoha VPS
圧倒的なOSテンプレート数とロードバランサーやオブジェクトストレージなどの機能数、見やすくて使いやすい管理画面、時間割で無駄なく使え、非の打ち所がないVPSが「Conoha VPS」です。
ConohaVPSのオススメポイント
何と言ってもテンプレートも圧倒的に多いのが特徴で契約・サーバー作成からすぐにサービスを利用開始することができます。以下が利用できるテンプレートの例になります。
- Docker
- Jenkins
- Laravel
- Django
- Ruby on Rails
- Minecraft
- WordPress(KUSANAGI)
VPSは自由のサーバーを設定を始める反面、実際の用途を利用するまでに時間が掛かったりします。マニュアルを見て一からインストールすることはできますがOSのバージョンやライブラリのバージョンによってエラーになったり、設定のケアレスミスでサーバーにつながらなかったりと躓くポイントは多々あります。
そんな時によくあるテンプレートを選んでボタン一つで環境が用意することができるのがConoha VPSの魅力です。
またサービス開発に以下のように必要な機能は網羅されています。
- ロードバランサーで負荷分散
- オブジェクトストレージに画像・動画・音楽などの大きなファイルを退避
- プライベートネットワーク(ローカルネットワーク)が構成でき、データベースなどを外に公開しなくて済む
さらに管理画面が使いやすく直ぐにサーバーも払い出されるため、利用したい直前に用意して不要になったら削除することができ、ストレスなくサーバーを管理できます。
気になる料金体系ですが時間ごとの従量課金です。
午前中にサーバーの検証開始して午後帰宅時にはサーバーを削除することで数十円でサーバーの検証を行うことができます。
ConohaVPS料金は以下になります。
CPU | 1Core | 2Core | 3Core | 4Core | 6Core | 8Core | 12Core | 24Core |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
メモリ | 512MB | 1GB | 2GB | 4GB | 8GB | 16GB | 32GB | 64GB |
SSD | 30GB | 100GB | 100GB | 100GB | 100GB | 100GB | 100GB | 100GB |
月額料金 | 530円~ | 723円~ | 1,426円~ | 2,901円~ | 5,802円~ | 10,890円~ | 21,780円~ | 43,560円~ |
すべてのプランで初期費用は0円です。また課金体系は時間割が適用され1時間辺りの従量課金で請求されます。
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さくらVPS
長年運用されてる信頼性と細やかな機能が売りなのが「さくらVPS」です。
さくらVPSのオススメポイント
通常のVPSはCDNやプライベートネットワーク(ローカルネットワーク)を利用できることからもクラウドのIaaSに近い形で、かつシンプルに低価格で利用することができます。
東京・大阪・石狩の日本の3つにデータセンターを構えることで災害対策もバッチリ対応することができます。
災害対策の図
※ 災害対策とは地震などの天災によりデータセンターが崩壊してしまった場合でも別のデータセンターでサービスを提供することができるようする対策です。仮に東京で大地震が発生した場合に、大阪や石狩で同一のサーバーを用意していることでサービスを提供し続けることができます。
次にプライベートネットワーク(ローカルネットワーク)を複雑に構成可能です。データベースなどの重要なサーバーをパブリックネットワーク(誰でも繋げるネットワーク)に晒すことでハッカーなどの攻撃対象になり、最悪の場合サーバーから重要なデータが流出してしまいます。プライベートネットワークで構成することで物理的にサーバーに接続しないようにし、攻撃者からのリスクを軽減させます。


最後にさくら独自のCDNを格安で利用できます。
CDNとはWeb上のキャッシュサーバーであり、画像や動画などの大きなファイルをCDN上にキャッシュさせることでサーバーの負荷を抑えたり、ユーザレスポンスを高めたりする効果があります。CDNですが高価になりがちですがさくらインターネット独自で格安で利用することができます。


ただし少々残念なのはロードバランサーの機能はないことです。これは負荷分散ができずに急なアクセス増加時にサーバーが停止してしまう可能性が上がります。しかしさくらクラウドが提供するロードバランサーサービスを利用し、サーバーの冗長構成を取ることでサーバーの負荷分散を行うことが可能です。
・サーバー監視が簡単です。サーバーダウン時に簡単にメールとSlack通知を行うことができます。
・MinecraftとFactorio のテンプレートが使える。これによりゲーム用環境を簡単に構築できる。
・Kubernetesのテンプレートもある。VPSでk8s環境の構築方法を提供しているのはさくらVPSのみです。
サーバーの利用料金は日割り計算で請求されるため、いつサーバー利用を開始しても無駄になる費用はほぼありません。

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KAGOYA Cloud VPS
大規模なデータセンターを保有しており、ホスティング事業会社として20年以上続けているので「Kagoya VPS」です。VPSだけでなくベアメタルサーバーやデータセンターそのものをサーバー提供に関しては多くのノウハウを持っているといってよいでしょう。
Kagoya VPSのオススメポイント
KagoyaVPSですが、Conoha VPSやさくらVPSなどのどのサービスよりも高いサーバー性能をもっていることがわかっています。(2022年当社調べ)。
以下はサイトがそれぞれのサーバーを契約して実測したサーバ性能の結果になります。下図は数値が高いほどサーバー性能が高いという意味になります。
ConohaVPS | さくら VPS | Kagoya VPS | WebARENA Indigo | ALTUS | |
---|---|---|---|---|---|
整数演算処理 | 33,730,521 | 26,893,341 | 31,533,481 | 29,676,312 | 10,791,908 |
浮動小数点数演算処理 | 5,305 | 5,459 | 5,066 | 4,053 | 2,211 |
execl()というプロセスイメージを置き換えるシステムコール | 3,448 | 2,606 | 2,999 | 2,599 | 1,086 |
ファイルのRead/Writeを繰り返すテスト。2MByteのファイルを1024Byteごとに処理 | 520,574 | 436,583 | 663,520 | 278,758 | 177,342 |
ファイルのRead/Writeを繰り返すテスト。500KByteのファイルを256Byteごとに処理 | 136,763 | 113,570 | 174,209 | 76,391 | 44,621 |
ファイルのRead/Writeを繰り返すテスト。7.9MByteのファイルを4096Byteごとに処理 | 1,363,962 | 1,220,536 | 1,524,613 | 771,356 | 485,605 |
512Byteのデータをパイプ処理しスループットの繰り返しテスト | 683,707 | 595,844 | 1,045,953 | 407,643 | 221,093 |
プロセスのコンテキストスイッチテスト | 41,919 | 53,213 | 155,857 | 55,715 | 51,780 |
プロセスのフォークを繰り返すテスト | 7,557 | 6,379 | 7,386 | 5,448 | 3,746 |
sort、od、grep、tee、wcコマンドやパイプやリダイレクトを使ったテキスト処理テスト | 8,443 | 7,572 | 6,160 | 6,387 | 2,371 |
上記テストの同じ処理を8個並行で行うテスト | 1,565 | 1,481 | 797 | 1,260 | 307 |
getpid()というプロセスIDを繰り返し実行するテスト | 411,284 | 355,657 | 720,633 | 268,258 | 133,892 |
総合点 | 900 | 805 | 1,031 | 648 | 330 |
1台あたりのサーバー性能を求めるならばKagoya VPS環境は大変オススメになります。
またKagoya VPSは各社VPSよりもWindowsサーバーが一番安い値段で利用できます。
WindowsサーバーはWindowsOSのライセンスが費用が発生するため高額になりがちですが、Kagoya VPSは一番安いプランで月額770円から利用することができます。他社VPSは最低でも1,000円から利用になります。
MacユーザがWindows環境を利用したいケースやリモートデスクトップ利用したいケースに大変魅力的な内容になっています。
最後にKagoyaVPSは24時間体制のサポートと平日電話サポートです。昔からデータセンター事業をやっているためサポート対応は丁寧かつ迅速に行っていただけます。
法人利用の際はサポート対応は選択の大きな要素になります。
・サービス開発に必要なロードバランサー、セキュリティグループの設定可能です。
・サーバーのPing監視機能があり、サーバーダウン時にメールで通知します。
・KUSANAGI、Docker、Minecraftなどのすぐに使いたいテンプレートは用意されています。
気になる料金は1日あたりの従量課金になっています。一番安いプランで1日20円から利用することができます。
\ 最高クラスのサーバー性能で法人利用多数 /
WebARENA Indigo
NTTグループが運営するVPSの安心と信頼のサーバーが「WebAREANA Indigo」です。
WebAREANA Indigoのオススメポイント
なんと言ってもNTTグループ企業であり、長年の実績と信頼があります。長く続けているVPSを提供している企業は、過去のトラブルや知識を広く利用することができるため安心感があるということです。
また使った分だけ1時間ごとの従量課金+月額上限の2段階で料金で設定をしています。そのため高いプランでも無駄な料金は一切発生せずにコスパ良くVPSを利用できます。
最後に最速1Gbpsの高速ネットワーク回線が他にはないメリットです。他社の多くは100Mbpsですので約10倍の速度にないrます。最安プランでも100Mbpsなので概ね問題にはならないでしょう。
・WasabiとAmazon S3互換の国内最安オブジェクトストレージを1TB 834円で提供しています。
・管理画面がシンプルで使いやすく初心者がマニュアルを見なくても作成できます。
・VPS作成を多段認証で行うため高セキュリティなダッシュボードです。
「VPSクラウド」という似た名前のサービスがありますが、サーバー数に在庫がなく今はほぼ利用できない状況なのでオススメしておりません。間違えないようにしましょう。
またロードバランサーやプライベートネットワークを作ることができないため単一サーバー構成になる点に注意が必要です。
\ 時間従量課金で1時間当たり0.55円~ /
ALTUS
リソースを細かに設定しきめ細やかな運用ができるのが「ALTUS」です。
ALTUSのオススメポイント
ALTUSにはリソースパックという概念があり1Core1GBごとで用意するため無駄なくVPSを契約することができます。
欲しい分だけ用意して不要になったら取り消すことができ、AWSやGCPなどのクラウドサービスとVPSの間ぐらいの位置付けて利用できます。
プランはBasicプラントIsolationプランの2種類があり、初めてサービスを利用する方はBasic、中小企業の基幹システムを利用する方はIsolationが大変おすすすになります。
さらに機能としてCDNやAPIでリソース管理や管理者と一般ユーザを分けるアカウント設定ができ、まさにVPSの発展系を言えるVPSです。
また追加費用なしでも平日10:00~18:00で電話サポートを受け付けてくれるのも魅力の一つです。一般的には追加費用払って電話サポートをしてもらいますが、ALTUSでは追加料金なしでも電話対応していただけます。
さらにプレミアムサポートに加入すると24時間365日の電話サポートが可能です。このプレミアムサポートでは電話サポートだけでなくトラブル時にも作業を依頼することができます。以下が実施してくれる作業の例です。
- ログ調査
- 不正アクセス調査
- ディスク拡張やディスク追加
※プレミアムサポートは月額11,000円です。
\ 14日間無料お試し中 /
最後にまとめ!
最後に重要な「レンタルサーバー・VPS・クラウドの選び方」をおさらいしましょう。
- ホームページ・ブログ・LP・自社メディア製作で利用するか?→レンタルサーバー
- 新規Webサービス・アプリ開発や開発・検証・学習用のサーバーが欲しい→VPS
- 拡大中のWebサービス・会社の基幹システム・クラウドの学習→クラウドサービス
オススメのVPSランキングは以下になります。